【2026年版】四国電力送配電とは?四国電力との違い・仕事内容・役割をわかりやすく解説

徳島

「四国電力送配電」という会社をご存じでしょうか。

四国に住んでいても、

「四国電力とは違う会社なの?」

「送配電って何をしているの?」

「送電の仕事って、具体的に何をするの?」

と思う人もいるかもしれません。

四国電力送配電は、送電線・変電所・配電線などを維持・運用し、発電所でつくられた電気を家庭や企業まで届ける会社です。

2020年4月に四国電力から送配電事業を引き継いで事業を開始しました。

今回は、四国電力送配電とはどんな会社なのか。

そして、最近の報道でも注目されている**「送電の仕事」では具体的に何をしているのか**について、分かりやすく紹介します。

四国電力送配電とは?

正式名称は四国電力送配電株式会社です。

本社は香川県高松市。

2026年3月31日時点で従業員数は1,945人です。

四国電力送配電が保有・運用する主な設備は、

  • 送電線:約3,405km
  • 変電所:240カ所
  • 配電線:約46,489km

に及びます。

四国全体に張り巡らされた大規模な電力ネットワークを維持している会社です。

四国電力と四国電力送配電は何が違う?

名前が似ているので、ここが分かりにくいところです。

もともとは四国電力の中に送配電部門がありました。

しかし、電力システム改革によって送配電部門の中立性を確保するため、2020年4月に送配電事業が分社化されました。

かなり簡単に説明すると、

四国電力 → 発電や電気の販売など

四国電力送配電 → 電気を運ぶネットワークの維持・運用

という違いがあります。

例えば、四国電力以外の小売電気事業者から電気を購入している家庭でも、四国エリアでは四国電力送配電のネットワークを利用して電気が届けられます。

そのため、四国電力送配電は特定の発電会社や小売会社だけを優遇するのではなく、中立・公平に送配電ネットワークを運用する役割を担っています。

そもそも「送電」とは?

電気は発電所でつくれば、そのまま家庭まで届くわけではありません。

大まかには、

発電所
↓
送電線
↓
変電所
↓
配電線
↓
家庭・店舗・工場

というルートを通って電気が届けられます。

このうち、発電所などから大量の電気を高い電圧で長距離運ぶのが送電です。

四国電力送配電によると、送電部門では電気を長距離輸送するときのロスを少なくするため、50万Vや18万Vといった非常に高い電圧を使い、鉄塔や電力ケーブルなどを通じて変電所まで電気を送っています。

道路に例えるなら、

送電線=電気の高速道路

配電線=家庭や店舗の近くまでつながる一般道路

と考えると分かりやすいでしょう。

送電の仕事① 鉄塔や送電線を点検する

送電設備は一度建設したら終わりではありません。

長期間使用するため、定期的な巡視や点検が必要です。

鉄塔や電線などに異常がないか確認し、電気を安全に送り続けられる状態を維持します。

四国は山間部が多く、送電線も山を越えて延びています。

そのため、送電設備の巡視は街中だけで行う仕事ではありません。

四国電力送配電では、設備の異常を早期に発見するため、ヘリコプターに搭乗して巡視することもあると説明しています。

普段、私たちは鉄塔を見ても、

「今日も電気を送っているな」

と意識することはほとんどありません。

しかし、その当たり前を維持するために、送電設備を継続的に確認する人がいます。

送電の仕事② 古くなった鉄塔や電線を交換する

送電設備にも寿命があります。

古くなった鉄塔を建て替えたり、電線を張り替えたりすることも送電部門の重要な仕事です。

四国電力送配電によると、数十メートルを超える鉄塔を建て替えたり、何kmにも及ぶ電線を張り替えたりする大規模工事も行われています。

当然ながら、送電を止めればいいという単純な話ではありません。

電気を安定して届けながら設備を更新していく必要があります。

そのため、長期的な工事計画や関係部署との調整も重要になります。

送電の仕事③ 新しい鉄塔・送電線をつくる

新しい発電所や工場などが建設されれば、新たな送電設備が必要になる場合があります。

そこで送電部門では、新しい送電線のルートを検討します。

現地を調査し、

「どこに鉄塔を建てるのか」

「どのようなルートで送電線を通すのか」

「鉄塔にはどの程度の強度が必要なのか」

などを検討して設計します。

その後、実際の建設工事を進めます。

四国電力送配電の社員紹介でも、鉄塔の設計図作成や、工事が安全かつ計画通り進むよう施工管理を行う仕事が紹介されています。

つまり送電部門は、鉄塔に登って点検するだけの仕事ではありません。

調査・設計・工事・施工管理・保守まで幅広い仕事があります。

送電の仕事④ 台風・地震・雷などの災害に対応する

送電部門の重要な仕事の一つが、災害への対応です。

台風、地震、雷などによって送電設備に異常が発生すれば、大規模な停電につながる可能性があります。

そのため非常時には、設備の状況を確認し、早期復旧に向けた対応を行います。

四国電力送配電も、災害などで停電が発生した際には、送電部門全体で早期復旧に取り組むと説明しています。

電気は24時間365日必要なインフラです。

災害が起きたからといって、

「明日の営業時間から対応します」

というわけにはいきません。

送電の仕事が社会インフラを支える仕事と言われる理由の一つです。

送電の仕事⑤ 本社では計画・予算・新技術も担当

送電の仕事というと、鉄塔や送電線のある現場を想像しがちですが、現場だけではありません。

本社では、

設備をどのように維持・更新していくのかという方針や計画を考えたり、予算を策定したり、他部門との調整をしたりします。

さらに、新しい技術や工法を導入して、設備の建設・維持管理を効率化する仕事もあります。

つまり、

現場で設備を守る仕事

と

会社全体で送電設備をどう維持していくか考える仕事

の両方が存在します。

「送電」と「配電」は何が違う?

送電と配電は似ていますが、仕事内容は異なります。

送電は、発電所などから変電所まで大量の電気を高い電圧で運ぶ仕事です。

一方、配電は街中の電柱や電線、スマートメーターなどを使って、家庭や店舗など利用者に近いところまで電気を届けます。

四国電力送配電では、配電部門が電気の供給申込や太陽光発電などの連系申込への対応、配電設備の設計・建設、巡視・点検、停電復旧などを担当しています。

私は過去に、別の電力会社で配電部門を経験しました。

そのときの新人時代については、別の記事で詳しく書いています。

四国電力送配電はどれくらいの規模?

四国電力送配電は2026年3月末時点で1,945人の従業員を抱えています。

送電線は約3,405km。

変電所は240カ所。

配電線は約46,489kmあります。

送電線3,405kmという数字だけではイメージしにくいですが、日本列島をかなりの距離にわたって縦断できるほどの長さです。

それだけ広い設備を維持しながら、四国の電力供給を支えています。

2026年9月、送電鉄塔の巡視点検中に19歳社員が死亡

2026年9月9日、徳島県上勝町で、四国電力送配電の19歳の男性社員が送電鉄塔の巡視点検中に転落し、亡くなる事案が発生しました。

その後、職場でのパワーハラスメントを訴える内容の遺書が残されていたことが報道されています。

四国電力送配電は9月18日、調査の独立性・中立性を確保し、客観的な事実解明と原因究明を行うため、第三者委員会を設置する方針を発表しました。

現時点では調査が行われる段階であり、ハラスメントの有無や死亡との因果関係が確定したわけではありません。

そのため、今後の第三者委員会による調査結果を待つ必要があります。

まとめ 送電は「電気の高速道路」を守る仕事

四国電力送配電は、四国の送電線・変電所・配電線などを維持・運用する一般送配電事業者です。

その中でも送電部門は、

発電所などから大量の電気を変電所まで運ぶ「電気の高速道路」をつくり、守る仕事

と考えると分かりやすいでしょう。

新しい送電線の調査・設計・建設。

鉄塔や電線の巡視・点検。

古くなった設備の更新。

災害発生時の復旧。

さらに本社での設備計画や予算、新技術の検討。

「送電」と一言でいっても、その仕事は幅広くあります。

普段、山の上に立っている鉄塔や、その間をつなぐ送電線を意識することはほとんどありません。

しかし、その設備が正常に機能し続けることで、私たちは毎日当たり前のように電気を使うことができます。

目立たないけれど、社会を支える重要な仕事。

それが送電の仕事だと思います。

一方、2026年9月には、送電鉄塔を巡視点検していた19歳の社員が亡くなる事案が発生しました。

電力の安定供給を守ることはもちろん重要です。

それと同時に、その仕事を担っている人が安全に働ける環境を守ることも重要ではないでしょうか。

今回設置される第三者委員会によって事実関係が明らかにされ、必要な改善につながることを願います。

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