徳島市中心部の見慣れた風景が、少し変わります。
徳島駅から眉山・阿波おどり会館方面へ歩くと目に入る、
大きなヤシの木。
南国・徳島らしい雰囲気を感じさせる街路樹として、長年親しまれてきました。
ところが2026年9月10日、徳島市は阿波おどり会館前にあるヤシの木8本の伐採を始めました。
理由の一つが、
地震による倒木の恐れ
です。
今回は、なぜ徳島市中心部のヤシの木が伐採されることになったのか、その歴史と今後について紹介します。
9月10日からヤシの木8本を伐採
今回伐採されるのは、
阿波おどり会館前にある8本のヤシの木
です。
作業は9月10日に始まり、11日まで行われる予定です。
クレーン車などを使い、大きく育ったヤシを上部から順番に切断して撤去していきます。
新聞の写真を見ると、その大きさがよく分かります。
普段何気なく見ていた木ですが、人と比較するとかなり巨大です。
実は樹齢90年を超える
驚いたのが、その歴史です。
今回伐採されるヤシは、
樹齢90年超
とみられています。
種類は「ワシントンヤシモドキ」。
徳島駅から阿波おどり会館前までの植樹帯には、現在約80本のヤシが植えられています。
そのルーツをたどると、1930年に旧県庁舎が完成した際、市民から寄贈されて植えられたヤシに行き着きます。
その後、現在の徳島駅周辺などへ移植されたとされています。
つまり徳島市中心部のヤシは、
約1世紀にわたって徳島の街を見てきた
ことになります。
なぜ伐採するの?
「せっかく90年以上も育ったのに、なぜ切ってしまうの?」
と思う人もいるでしょう。
大きな理由が、
安全性です。
長年成長したことで、高さは20メートルを超えています。
一部報道では約30メートルに達するものもあるとされています。
ここまで巨大になると、日常的な手入れも簡単ではありません。
さらに問題になるのが、
大きな地震が発生したときの倒木リスク
です。
南海トラフ地震も考慮
徳島で地震対策を考えるうえで避けて通れないのが、
南海トラフ巨大地震
です。
阿波おどり会館周辺では、大きな揺れに加えて地盤への影響も考える必要があります。
巨大なヤシが倒れれば、周囲にいる人や車などに被害が及ぶ可能性があります。
また、普段でも枝や葉などが落下するリスクがあります。
「昔からあるから残す」というだけではなく、
安全性を優先する必要がある
というのが今回の判断です。
徳島駅前のヤシ全部がなくなるわけではない
ここは誤解しないようにしたいところです。
今回、
徳島駅前のヤシが全部なくなるわけではありません。
伐採対象となっているのは、
阿波おどり会館前の8本
です。
徳島駅から阿波おどり会館前までには、現在も多くのヤシがあります。
過去には徳島駅前から阿波おどり会館前までのワシントンヤシについて、倒木の危険性を確認する調査も行われています。
そのため今後、他のヤシについても安全性を確認しながら対応が検討される可能性があります。
阿波おどり会館前も再整備へ
今回の伐採には、もう一つ背景があります。
徳島市は、
阿波おどり会館前の再整備
を進めています。
現在、会館前には観光バスの駐車スペースがあります。
阿波おどり会館は徳島駅から徒歩約10分。
阿波おどりを一年中楽しめる施設で、眉山ロープウェイの乗り場もあります。
徳島観光の中心的な場所の一つです。
市はこの周辺について、安全性だけでなく、
観光客が安心して利用できる空間
として整備することも考えています。
長年親しまれてきたヤシを残すか、安全性や使いやすさを優先するか。
街づくりとしても難しい判断だったと思います。
伐採したヤシは捨てるだけではない
伐採されたヤシについても、そのまま廃棄されるわけではありません。
木材チップなどへ加工し、
紙の原料や発電燃料などとして活用
される予定です。
90年以上徳島の街にあった木が、最後は別の形で再利用されることになります。
個人的には少し寂しい
徳島駅周辺を歩いたことがある人なら、あのヤシの木を覚えている人も多いと思います。
徳島駅から眉山を見る。
その途中にヤシの木が並んでいる。
これは、
「徳島駅前らしい風景」
の一つだったと思います。
特に県外から徳島へ来た人にとっては、駅前のヤシを見て、
「南国っぽいな」
と感じることもあったのではないでしょうか。
90年以上もあると聞くと、なくなってしまうのはやはり少し寂しいです。
一方で、高さ20メートルを超える木が地震で倒れる可能性を考えれば、安全対策を優先するという判断も理解できます。
実は徳島の歴史を知る「生き証人」だった
今回のニュースを調べていて面白いと思ったのが、
単なる街路樹ではなかった
ということです。
1930年ごろから徳島の街に存在してきたと考えると、このヤシは戦前から現在まで徳島市中心部の変化を見てきたことになります。
徳島駅周辺の再開発。
街並みの変化。
そして現在の阿波おどり会館。
その横でずっと成長してきたわけです。
そう考えると、
「大きくなりすぎたから切る」
だけでは少しもったいない気もします。
伐採した木の一部を記念品や展示などに活用できれば、徳島の街の記憶として残せるかもしれません。
まとめ|徳島の見慣れた景色が少し変わります
2026年9月10日から始まった、
阿波おどり会館前のヤシの木の伐採。
対象は8本。
樹齢は90年を超え、高さ20メートル以上まで成長しています。
伐採の背景には、
老木化
維持管理の難しさ
枝や葉の落下リスク
地震発生時の倒木リスク
などがあります。
安全のためには仕方がない。
それでも、長年徳島市中心部の風景を作ってきたヤシがなくなるのは少し寂しいですね。
なお、徳島駅周辺のヤシがすべて撤去されるわけではありません。
今回なくなるのは阿波おどり会館前の8本です。
次に徳島駅から眉山方面へ歩くときは、少しだけ街の景色が違って見えるかもしれません。

コメント