【徳島】「ケンチョピア」のヨットが津田へ移転?県が暫定係留施設の整備案を提示

徳島

徳島県庁の前を通ると、新町川沿いにずらっと並んだヨットやボートを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

この一帯は、

「ケンチョピア」

という愛称で親しまれています。

県庁前にヨットが並ぶという、徳島ならではの風景です。

ところが、このケンチョピアに係留されているヨットなどを、徳島市津田海岸町へ暫定的に移転する計画が進んでいます。

徳島県は2026年8月25日に「第4回徳島県係留施設検討会」を開催し、津田第2水面貯木場跡に整備する暫定的な係留施設について検討しました。

「ケンチョピアはなくなるの?」

「なぜ津田に移すの?」

「今のままではダメなの?」

今回は県の資料を確認しながら、この計画について徳島県民として感じることも含めて考えてみます。


そもそも「ケンチョピア」とは?

ケンチョピアは、徳島県庁前の新町川沿いにヨットやプレジャーボートなどが係留されている一帯の愛称です。

「ケンチョピア」という正式な港があるわけではありません。

徳島県によると、

「県庁」+「ピア(埠頭・桟橋など)」

から生まれたと考えられている名称です。

県庁前にヨットがずらりと並ぶ光景は、全国的に見てもなかなか珍しいのではないでしょうか。

「水都・徳島」を象徴する風景の一つともいえます。


ケンチョピアのヨットを津田へ暫定移転

今回、徳島県が暫定的な移転先として検討しているのが、

徳島市津田海岸町の「津田第2水面貯木場跡」

です。

県は8月25日に第4回徳島県係留施設検討会を開催。

ケンチョピアなどの係留船舶を移動させるための施設について検討を進めています。

徳島新聞も8月30日、ケンチョピアに係留しているヨットなどを暫定的に移転させるため、県が津田第2水面貯木場跡に整備する係留施設案を示したと報じました。

つまり、

「ケンチョピアの風景が将来的に変わる可能性がある」

ということです。


なぜ津田第2水面貯木場跡なのか?

県がこれまでに公表した検討資料を見ると、津田第2水面貯木場跡には係留施設としていくつかのメリットがあります。

波が比較的穏やか

県の資料では、

「良好な静穏度を確保」

できる場所と評価されています。

ヨットやプレジャーボートを保管する場所なので、波の影響を受けにくいことは重要です。

水深2~3メートル

水深についても、

2~3メートル程度

が確保されています。

駐車スペースを確保しやすい

背後には造成された土地があり、県は十分な駐車スペースを確保できるとしています。

船の所有者が車で訪れることを考えると、これも重要でしょう。

最大300隻程度を収容できる可能性

さらに、これまでの県の検討資料では、

最大300隻程度

を収容できる可能性が示されています。

かなり大規模な係留場所になりそうです。


私も「移転した方がいい」という意見は分かる

ケンチョピアのヨットがなくなるとなれば、

「徳島らしい景色がなくなって寂しい」

という気持ちもあります。

私自身、県庁前にヨットが並んでいる景色は昔から見ています。

ただ最近ケンチョピアを見ていると、

かなり古びて見えるヨットやボートもあります。

そして個人的に気になるのが台風のときです。

強い風が吹いたときには、

「この船、大丈夫なのかな」

「流されそうになっていないか?」

と心配になるような船を見かけたこともあります。

もちろん、実際の船の管理状態や安全性について、外から見ただけで判断することはできません。

古く見える船でも適切に管理されている場合はあるでしょう。

それでも県庁前という徳島市中心部の河川に多数の船が係留されている以上、

台風や高潮などを考えれば、安全面からきちんと管理できる場所へ集約した方がいい

という意見も理解できます。

私は今回の移転について、

「ケンチョピアの景観がなくなるから反対」

とは単純には思いません。

むしろ安全に管理できる施設が整備されるのであれば、移転を検討する理由は十分あると思います。


台風時の船は防災上も無視できない

これは単に、

「古いヨットが見栄えとしてどうなのか」

という話ではありません。

徳島県が放置艇対策を進めている理由には、災害時の安全性もあります。

適切に管理されていない船舶は、洪水や高潮などの際に流出したり、他の船舶や施設などへ影響を与えたりする可能性があります。

特に徳島は台風の影響を受けることが少なくありません。

普段は穏やかな新町川でも、

台風時まで同じ状況とは限りません。

ケンチョピアを考えるうえでは、普段の景観だけでなく、

「災害が来たときにどうなるのか」

という視点も必要だと思います。


ただし津田への移転は「暫定」

ここで注意したいのが、

津田が最終的な移転先と決まったわけではない

ことです。

今回検討されている津田第2水面貯木場跡は、もともと埋め立てが予定されている場所です。

県の検討資料でも、

恒久的な係留施設として整備することは難しく、暫定的な利用

という位置付けになっています。

イメージとしては、

ケンチョピアなど

津田第2水面貯木場跡へ暫定移転

将来的に恒久的な係留施設へ

という流れです。

ですから、

「津田に新しいケンチョピアができる」

と考えるのは、現時点では正確ではありません。


そもそも、なぜ係留場所を見直すのか?

背景にあるのが徳島県の放置艇対策です。

県は以前から放置艇削減計画を進めています。

適切な許可を得ずに係留・保管された船が増えると、

航行への支障、

災害時の船舶流出、

事故、

河川や港湾区域の適正利用、

景観など、

さまざまな問題につながります。

そのため、

船を置く場所を整備する

一方で、

適正ではない係留を減らしていく

という両方の対策が必要になります。

今回のケンチョピアの問題も、この大きな流れの中にあります。


将来的には恒久的なボートパークへ?

では、津田への暫定移転の後はどうなるのでしょうか。

徳島県は、ケンチョピアなどの係留船舶を移動させるため、将来的な恒久的係留保管施設についても検討しています。

つまり今回の津田案は、

ゴールではなく途中段階

と考えた方が分かりやすいでしょう。

きちんとした係留施設が整備されれば、

船の管理、

利用者の利便性、

災害時の安全性、

景観、

すべてを改善できる可能性があります。


ケンチョピアの景色がなくなるのは少し寂しい

安全面を考えれば移転の理由は理解できます。

それでも、

県庁前からヨットがなくなるとしたら少し寂しい。

これは正直なところです。

徳島県庁前にヨットが並んでいる景色は、長年見慣れた徳島の風景だからです。

全国どこにでもある風景ではありません。

だからこそ、

「安全のために船を移しました。終わり」

にはしてほしくないと思います。


ヨットが移転した後の県庁前をどうする?

むしろ重要になるのは、

ケンチョピア移転後の水辺をどう使うのか

ではないでしょうか。

徳島市には新町川があります。

さらに万代中央ふ頭など、水辺を生かした場所もあります。

例えば、

遊歩道をもっと歩きやすくする。

ベンチを増やす。

カフェや飲食を楽しめる場所をつくる。

水上交通を充実させる。

SUPやカヤックなどを楽しめるようにする。

イベントを開催する。

そんな形で、

「水都・徳島」を感じられる新しい水辺

にできれば面白いと思います。

ヨットがなくなって景色が寂しくなるのではなく、

ケンチョピアの次の風景をつくる。

そこまで考えてほしいところです。


一方の津田にもチャンスがある

そして、船を受け入れる津田側にも可能性があります。

津田は海に面した地域です。

もし将来的に船が集約されるのであれば、

ヨット、

プレジャーボート、

釣り、

マリンレジャー、

飲食、

海辺の散歩、

といったものを組み合わせることも考えられます。

もちろん、今回の暫定施設がそのまま観光施設になるわけではありません。

ただ、

「県庁前から船を追い出す」

だけではなく、

「津田に新しい海辺の拠点をつくる」

という方向まで発展すれば、かなり面白いプロジェクトになると思います。


まとめ|移転には寂しさもある。でも安全面を考えると理解できる

徳島県は、県庁前の「ケンチョピア」などに係留されているヨットやボートについて、徳島市津田海岸町の津田第2水面貯木場跡へ暫定的に移転するための施設整備を検討しています。

ケンチョピアは長年、徳島らしい水辺の景観をつくってきました。

私自身もこの景色には愛着があります。

一方で最近は、古びて見える船もあり、台風の際には「大丈夫なのかな」と心配になる船を見かけることもあります。

外から見ただけで個々の船の安全性を判断することはできません。

それでも、防災や適正な船舶管理を考えれば、

設備の整った場所へ移転した方がいい

という意見も十分理解できます。

だからこそ今回の計画は、

「ケンチョピアを残すか、なくすか」

だけで考えるのではなく、

安全な船の管理

県庁前の水辺の再活用

津田地区の活性化

という3つをセットで考えてほしいと思います。

ケンチョピアのヨットが移転した後、

徳島県庁前の景色はどう変わるのか。

そして津田の海辺はどう変わるのか。

これから注目していきたいと思います。

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