徳島市で長年親しまれてきた文化施設が、閉館することになりました。
徳島市勝占町にある、
「徳島ガラススタジオ」
です。
徳島市は、現在の指定管理期間が終了する2028年3月末で閉館する方針を決めています。
ところが、この決定を巡って利用者やインストラクターなどから不満や反発の声が上がっています。
そして8月24日の定例記者会見で、遠藤彰良徳島市長は閉館までの経緯について、
「正当な手続きを踏んできた」
との見解を示しました。
なぜ徳島ガラススタジオは閉館するのでしょうか。
今回は、市側の説明と利用者側の声を整理しながら考えてみます。
徳島ガラススタジオとは?
徳島ガラススタジオは、徳島市勝占町にあるガラス工芸施設です。
開館したのは1989年(平成元年)。
ガラス工芸の普及を目的として、吹きガラスをはじめとした制作体験や講座などが行われてきました。
現在も、
吹きガラス体験
サンドブラスト体験
風鈴の絵付け体験
などを楽しむことができます。
単なる展示施設ではなく、
実際にガラス工芸を作ることができる場所
なのが大きな特徴です。
2028年3月末で閉館へ
徳島市は2026年6月、徳島ガラススタジオを、
2028年3月末
で閉館する方針を明らかにしました。
現在の指定管理期間も2028年3月31日までとなっています。
つまり、すぐになくなるわけではありません。
この記事を書いている2026年8月時点では、閉館まで約1年7カ月あります。
なぜ閉館するの?
徳島市が挙げている大きな理由は、
①利用者の減少
②施設・設備の老朽化
です。
徳島市によると、開設から30年以上が経過する中、当初期待していたほどガラス工芸の広がりを生み出せておらず、利用者減少や施設・設備の老朽化といった課題を抱えていました。
施設は開館から37年。
市長も7月の記者会見で、施設を維持するには多額の経費が必要になると説明しています。
つまり徳島市としては、
「限られた市の財源を使って、今後も施設を維持するべきなのか」
を検討した結果、閉館という判断になったわけです。
利用者からは反発も
一方で、この決定に納得していない利用者もいます。
徳島新聞によると、利用者やインストラクターらからは、施設存続を求める声が上がっています。
特に問題視されているのが、
有識者会議の人選や議論の進め方。
一部の利用者からは、
「閉館ありきで強引に進めた」
との批判も出ています。
7月に行われた利用者向け説明会でも、閉館発表が突然だったなどとして、戸惑いや反発の声が上がりました。
遠藤市長「正当な手続きを踏んできた」
こうした利用者からの不満について、遠藤彰良市長は8月24日の定例記者会見で、
閉館決定について「正当な手続きを踏んできた」との見解を示しました。
徳島市は実際に、施設の今後について検討するため、
「徳島ガラススタジオのあり方検討会議」
を設置しています。
学識経験者など5人で構成され、施設のあり方について検討が行われました。
市側としては、一定の検討プロセスを経て閉館を決めた、という立場です。
「利用者がいる」だけでは維持できない難しさ
今回の問題、個人的にはかなり難しいと思います。
利用者からすれば、
「実際に使っている施設をなぜなくすの?」
となります。
一方、行政側からすれば、
老朽化した施設を税金でどこまで維持するのか
という問題があります。
特に公共施設は、
利用者数が減る
↓
維持費は増える
↓
建物も老朽化する
という問題が同時に起きます。
これは徳島ガラススタジオだけの話ではありません。
人口減少が進む地方都市では、今後ますます重要になる問題だと思います。
ただ、文化施設は「採算」だけでは測れない
一方で、ここも忘れてはいけないと思います。
文化施設には、
単純な利用者数や採算性だけでは測れない価値
があります。
ガラス工芸を何年も続けている人。
新しくガラス工芸を始める子ども。
作品を発表する人。
こうした人たちにとって、徳島ガラススタジオは単なる「市の施設」ではありません。
実際、市長自身も、熱心に作品制作をしている利用者から多くの意見が寄せられ、クラウドファンディングによる維持などの提案も出ていると説明しています。
閉館後、ガラス工芸はどこでできる?
個人的には、ここが今後一番気になります。
徳島ガラススタジオがなくなった後、
「現在の利用者はどこで活動するのか?」
という問題です。
徳島市は、現在ガラススタジオで行っている一部事業について、他の施設で実施できないか検討を進めるとしています。
ただし、市長は7月時点で閉館後について、
具体的なことはまだ決まっていない
という趣旨の説明をしています。
ここは閉館までの約1年半で、ぜひ具体化してほしいところです。
全部残す・全部なくす以外の方法はない?
個人的には、
「現在の建物をそのまま維持する」
か、
「ガラス工芸事業そのものをなくす」
という二択にしなくてもいいと思います。
例えば、
別の公共施設へ機能を移す。
規模を縮小して講座だけ残す。
民間事業者と連携する。
利用料金を見直す。
クラウドファンディングを活用する。
など、いろいろな方法は考えられます。
もちろん、それで採算が合うかは別問題です。
だからこそ、閉館まで時間が残されている今のうちに、「何を残すのか」について利用者と行政が話し合うことが大切なのではないでしょうか。
まとめ|閉館まで約1年半、これからが重要
徳島ガラススタジオは、
2028年3月末で閉館する予定
です。
徳島市は利用者減少や施設・設備の老朽化などを課題として挙げています。
一方で、利用者らからは決定までのプロセスなどについて不満の声が上がっています。
そして遠藤市長は8月24日、
「正当な手続きを踏んできた」
との見解を示しました。
個人的には、施設そのものを残すかどうかだけではなく、
「徳島で培われてきたガラス工芸の活動をどう残すのか」
という視点が重要だと思います。
建物には寿命があります。
でも、そこで育った文化や技術まで一緒になくす必要はありません。
2028年3月までまだ時間があります。
閉館するのであれば、現在の利用者が活動を続けられる場所や方法についても、徳島市から具体的な道筋が示されることを期待したいですね。

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